「伝説の鳥ポケモン」とは何か~ファイヤーは既に進化したポケモンである~

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※当記事は筆者がリモートポケモン学会で行ったプレゼンの文字起こしというか、プレゼン台本を多少整えたものです。
人の声あんま聞きたくない方、聞くのでなく自分のペースで読みたい方、そもそも私の声がキツい方向けに用意しましたが、元々は「視聴」する事を前提として作成したものですのでご了承ください(内容的には同等です)




皆さんこんにちは、初めまして。
ファイヤー使い友の会と申します。
今回はファイヤー、及びファイヤーが属する伝説の鳥ポケモンというグループ、ユニットについて述べさせていただきます。
よろしくお願いします。


まずは自己紹介ですね。
このファイヤー使い友の会という名前でツイッターYoutube、ブログなどで活動しております。
好きなポケモンは伝説の鳥の一角、炎の化身ファイヤーで、もう15年ほど推しているでしょうか。
普段はファイヤーを推すツイート・記事・育成論・動画等を投稿をしたり、ランクマッチや対戦会でファイヤーを活躍させたりしてその魅力・素晴らしさを広めることを目標に活動しています。
初代界隈だとちょっと有名な対戦環境がわかる動画も、私が作ったもので、あれはファイヤーの汚名返上を目的にVC版の初代対戦を始めた結果できたものですね。
まあ投稿物はファイヤー関係ないツイートとか、ファイヤーが主題で無い動画・記事が、プチバズする事の方が多いような気もしますがそれらも所詮ファイヤー布教に繋げるための、布石にすぎず、ファイヤーを推す事が私の活動目的です。

という事で今回はそうした活動の過程で得た知見をもとに
ファイヤーとはいかなるポケモンなのか、
その属する伝説の鳥とはいかなるグループなのかという事について述べたいと思います


皆さんは伝説のポケモン「ファイヤー」とは何なのか、
フリーザー、サンダー、ファイヤーが属する、「伝説の鳥ポケモン」、いわゆる「三鳥」というユニットについて
それがいかなるものかご存知でしょうか。
まあ私が知らないのだから誰も知るはずがないのですが
一見初代から登場する最初の伝説のポケモンなのだからわからいでかと思ってしまいそうですがこれが実は全くの謎となっております。
何が謎なのかと申しますと、どういうユニットなのかわからないし、ファイヤーサンダーフリーザーがそれぞれどういう存在なのかもよくわからないんですね。
という事でまずは「伝説の鳥ポケモン」とは伝説のポケモン達の中でどういう位置の存在なのかという事を考えてみましょう。


現在ではかなり増えており80種ほど確認されていますが、伝説のポケモン
ミュウやマギアナアルセウスといった「幻のポケモン」、
ルギア・ザシアン・ジガルデといった「禁止級伝説」と、
そしてファイヤー・ラティアス・レイスポスといった「準伝説」に大別され、
伝説の鳥ポケモンはその準伝説に含まれます。
ではその準伝説の中で伝説の鳥ポケモンはどこに含まれるのか?


ここでは準伝説ポケモンを見分けるために二つの分類方法を考えます
創造主が存在するか」と「ひとくみの伝説であるか」です。
これによってどのような存在なのか大まかな判別が可能になります。    

まず一つ目の分け方である創造主の有無についてですが、

準伝説ポケモンには、
ホウオウによって再生し伝説のポケモンとなったスイクンらいわゆる三犬や、
アルセウスによる創造の一環で誕生したアグノムらいわゆるUMA
ルナアーラないしはソルガレオによって力を得たカプコケコらいわゆるカプしんなど
その存在を作り出したいわば「創造主」を持つ準伝説というものがいます。


創造主を持つ準伝説はそれがどのようなポケモンであるかは明らかです。
三犬はそれぞれが再生の原因となった火災を引き起こした落雷の電気、火災の炎、火災を消し止めた雨の水の力を与えられており、同じ焼けた塔の地下に集い、同じようにジョウトを駆け、特性は三匹ともプレッシャーか精神力。
また種族値(HPとか攻撃とか言われるポケモンのステータスを表す根本の数値です)はシャッフルの関係となっています。
UMAも与えられた通り記憶、感情、意思を司る力を持ち、タイプと特性はエスパー浮遊で共通、三匹の力を抽出して造られた赤い鎖を用いたり、あるいは三匹の総がかりとすることでディアルガパルキアどちらか一匹と対等の力を発揮する事ができ、外見的にも、二本の尻尾と額の宝石が共通しています。
カプ神も共通してフィールドを変化させるいわゆるメイカー特性を持ち、皆フェアリータイプで、自然の怒りという、このグループだけの専用技を共有し、それぞれがメレメレ・アーカラ・ウラウラ・ポニの守り神としてその島に生きるポケモンや人間達を見守っています。
これらは総じて生み出された通りの性質を持ったポケモンであり、生み出された通りの目的で存在し、創造主が同じであるがゆえに同じような姿を持っているわけですね。


一方創造主を持たない準伝説ポケモンにはそういった存在目的が無く、生き物としての来歴は謎です。
純粋に進化…生物的な進化によって現在の姿と能力を獲得していると考えられるわけですね。
「自然界出身の準伝説」と言えます。
特に伝説の鳥ポケモンリージョンフォームが存在するため、純粋に自然淘汰から生まれ出た種族である可能性は高いでしょう。


そして二つ目の分け方ですが、準伝説は創造主の有無と別に、「一組の伝説」であるかどうかという点でも分類ができます。
つまり三鳥などのように何匹かのグループであるものと、
ヒードランやウーラオスのように、別段何かと組んでいるわけではなく単体で存在する「単独の伝説」で区別できるわけです。
単独の伝説と比べた一組の伝説の特徴として、まあ上下関係がある場合もありますがそれぞれが大体同等の力を持っており姿や特徴が似ていたり、お互いが関わって何かしらの出来事を起こしたというエピソードを持っていたりする事が挙げられます。
先程自然界出身の準伝説は生き物としての来歴が謎であると述べましたが、この点から探る事を考えましょう


いくつか自然界出身の一組の伝説の例を挙げますが、
テラキオンビリジオンコバルオンらいわゆる三闘神には3匹で結束し人間に立ち向かった伝説がありますし、聖なる剣は元々このグループだけの専用技でした。
三匹はケルディオを一緒に育ててもいて、実際ガラル地方では3匹の存在によってケルディオが姿を現した事例もあります。
ラティオスラティアスも明らかに同種族ですよね。片方のためにもう一方が人間に救いを求めた事例がありますし、メガシンカした姿は瓜二つで、どちらも心の雫に対応しています。
トルネロスボルトロスランドロス・ラブトロスらいわゆるコピペロスも春夏秋冬をそれぞれ司り、特異な見た目も似ていますね。格上のランドロスにはトルネロスボルトロスをいさめるという伝説があり、ボルトロストルネロスが揃う事でランドロスが現れた事例なんかもあります。また写し鏡を共有しており、それで変化する化身フォルムと霊獣フォルムという二つの姿を持つ事から生き物としての性質が同じで恐らく同根であろうという事も言えます。

このように一組の伝説は、それらがどういう関係性で結ばれているかとかどういう組であるかを示す出来事や記録があります。
では伝説の鳥ポケモンの場合はどうでしょうか?
これまでにどのような共通エピソードや接点が確認されているのでしょうか?

そんなものはない。
実は伝説の鳥ポケモンは確認された限りお互いに何の接点も持っておらず、会った事さえないし共通する伝説もありません。
関係性を示唆する図鑑説明や文献すらもないのです。
各地方の図鑑説明の要点を纏めましたが、



といった感じで、お互いの存在には全く触れていません。
フリーザーは凍死の見物が趣味とかファイヤーは遭難者を助けた事があるよとか、サンダーは羽がバチバチ鳴るよとかそういう個々の説明しかないです。
これは、それこそヒードランとかウーラオスとかに近い感じですね。
火山のほらあなに生息していて十字の爪を食い込ませ壁や天井をはい回るとか、遠い地方の山岳地帯に暮らしていて断崖絶壁を走り足腰を鍛えて技を磨いてるといった説明と大差ない、「生態説明」です。

つまりフリーザー、サンダー、ファイヤーはそれぞれが勝手に伝説のポケモンをやっているだけで実体としては単体の伝説のポケモンに近い存在であると見なせるでしょう。
伝説の鳥ポケモン」とは伝説の鳥が形式上属しているだけのユニットで実体は無いとも言えます。

「そうは言っても同じ飛行タイプの鳥ポケモンで渡りをして特性も全員プレッシャーなんだからやはり関係は明らかなのでは」という声もありそうですが、
伝説のポケモンの関係性を判別する上でタイプと行動パターンの一致というのはさほど当てになりません。

タイプと特性と行動パターンが同じという程度なら、エムリットクレセリアだってお互いエスパー浮遊でシンオウ中を飛び回りますが、実際には何の関係もないとされるわけで、
共通点としては弱いんですね。

ちなみに関係性の判定の上であまり役に立たないものとしてはもう一つ種族値というのもあります。

先程の例だとエムリットクレセリアはそもそも合計種族値が違うのでこの点から別種だと決めたくなるのですが、

トルネロスボルトロス、ラブトロス、ランドロスなんかはランドロスだけ種族値が上ですし、

現在では種族値的に対等とされるフリーザー、サンダー、ファイヤーも過去には数値面ではファイヤーが最強とされていました。

合計と分配が同じで並びだけが異なるいわゆるシャッフルの関係というのも、
関係性の補強程度には使えますが絶対ではなく、

例えば三犬、ラティ系、カプ神はシャッフルの関係にありますが、

ミュウツー・ルギア・ホウオウもシャッフルの関係にあり、ミュウツーとホウオウなんて明らかに関係がないわけですね。

トルネロスボルトロスのように合計・配分・並びの全てが完全に一致しているなら流石に関係を認めていいだろうと思っても、

これすらリザードンバクフーンのように特に関係が無さそうなポケモン同士で一緒だったりしますから、種族値は関係性を読み解く上でそこまで役に立たず、基本的にあてにしてはいけないという事が言えます。

三鳥に当てはめますと、ファイヤーとサンダーは種族値がシャッフルなのに対してフリーザーだけは似ているもののシャッフルになっていないわけですが、

これとて関係性の有無を断定したり、ファイヤーとサンダーの関係はフリーザーに対するそれよりも近いとか述べる材料にはならないという事ですね。
総じて、三鳥の間に関係性と呼べる確固たる何かは確認されていないという事です。


まあ強いて言うならシャドーという組織の総帥、デスゴルド氏がダークポケモン化したファイヤー・サンダー・フリーザーを一緒に手持ちにしていた事はありますが、

これはこれで同じトレーナーに使われていた程度の事を絆と見なしていいのかという問題が出て来ます。
これを認めるなら同時にパーティに投入されていたサイドン・ナッシー・ケンタロスの間にも何かの絆があると認めなければならなくなってしまい、もちろん彼らに何の接点も無いわけで、

結局これも意味のある共通点ではないと言わざるを得ないでしょう


しかしでは、三匹の間には具体的な関係が無いのでしょうか?
もちろんそんな事はありません。
見えない所に共通点があるのだと私は考えます。
三匹の関係を解き明かすその鍵がこれです。

有名な話ですが、かつて三匹の伝説の鳥ポケモンがレベル51でにらみつける、かみなり、吹雪を覚えたという事例がありました。
ファイヤーだけがにらみつけるを覚えたという事は30年近くたってもネタにされている有様ですが。しかしこれこそがヒントになります。
ファイヤーのにらみつけるが浮いていたのは、伝説のポケモンがレベル51で基本的な補助技を覚えたからというだけでなく、同じレベル51でサンダーが雷を、フリーザーが吹雪を覚えたからです。
「ファイヤーはレベル51で大文字か火炎放射を覚えるべきだった」という結論は他の二匹の技習得から導かれた結果に過ぎません。
その前提には「三匹の技習得は足並みが揃っているべきだ」という認識があり、実際フリーザーとサンダーはまずまず足並みが揃っていました。
そうなのです、現代においてもファイヤー、サンダー、フリーザーはレベルアップによる技習得のタイミングが同じであり、その内容も似通っています。

(ちなみに背景がピンクで黒太字のところが完全に一致している部分で、赤字になっているところが性能的に同等の別の技を覚えている部分です。レベル10で神秘の守り、光の壁、リフレクターを分け合っている以外、レベル5の火の粉、電気ショック、粉雪など基本的にはタイプによって分かれていますね。まあ細かい内容は把握しなくてよいのでピンク背景の数にだけ注目していただければとおもいます)

こうした共通性はイーブイのタイプが分かれる分岐進化や、サンド辺りのタイプがごそっと入れ替わるリージョンフォームによく見られる傾向ですね。
つまり三鳥の関係とは恐らく分岐進化やリージョンフォームに近いのではないか、と言えるわけです。


この判別法はかなり正確性が高く、見た目にはほとんど別物に思えるサクラビスハンテールやニャイキング・ペルシアンなんかでもこの法則によって同族であると見分ける事ができます。

特にニャース族の場合、原種ペルシアンアローラペルシアンは同じ四つ足の猫型という見た目が似ているように技も似ているのに対し、外見が大幅に違い種族名も変わるニャイキングは技の類似性もまた損なわれている事がわかります。
つまり種族としてペルシアン同士は近いけれどニャイキングはもう少し遠い関係にあるという事ですね。
しかし同時に彼らが全くの他人ではないという事も読み取れます。

また逆に関係ないポケモン同士を違うと教えてくれるのもこの判別法のいい所で、先程のエムリットクレセリアはこれで見れば技習得レベルから内容まで全くの別物ですし、

種族値や特性・扱う技が似ているという事で良く並べられるカイロスヘラクロスなんかもお互い種族としては特に関係がない事がわかります。

つまり直接にはお互い何の接点も無いという表面的な無関係さに反して、三匹が同族である事はほぼ間違いないと言えるわけです。

同族でありつつもお互いに生息域が違い、タイプで技を分け合っているのは分岐進化やリージョンフォームにありがちな傾向ですから、恐らく三鳥は同じポケモンから分岐した「だけ」の関係なのではないかと考えられます。

さて分岐したと言ってもどのような分岐が起こったのかは謎ですので、これも考えていきましょう。

ここでは共通の祖先からフリーザー族・サンダー族・ファイヤー族に分化独立した、ファイヤーの子は常にファイヤーであるという共通祖先説と、
三鳥には共通の進化前…見えないイーブイが存在し、そこからフリーザー・サンダー・ファイヤーへと分岐進化している、次世代ではまたイーブイに相当する進化前が生まれてくるのだという共通進化前説の二つを考えます。


ここで重要になるのが伝説の鳥のリージョンフォームの存在ですね。
ガラルの姿と言われるファイヤー、サンダー、フリーザー。
本当にリージョンか怪しまれていますが、これらを再度先程のレベル技分類法で調べてみるとこのようになります。

・3種6匹の伝説の鳥に共通する技はレベル20の高速移動とレベル25の原子の力の2個、タイプ違いの同等の技を含めてもレベル5、10、45の三つが増えて5個止まりです。
次にカントーの伝説の鳥に共通する技は、緑背景の部分が追加されて3個、タイプ違いを含めると7個になります。
大してファイヤー同士で共通する技はなんと10個、タイプ違いを含めると12個。
・サンダー同士で共通する技は7個、タイプ違いを含めると9個。
フリーザー同士で共通する技も7個、タイプ違いを含めると9個となっています。
これはつまり、伝説の鳥としての共通点というものは間違いなくあるが、それ以上にファイヤー同士、サンダー同士、フリーザー同士の関係の方がより強いという事ですね。
ファイヤー同士、サンダー同士、フリーザー同士の種族的な距離はファイヤーとサンダーとフリーザーよりもより近いものであると言ったほうが適切かもしれません。


またレベル1の技を見て頂きたいのですが、ファイヤー、サンダー、フリーザーはそれぞれ基本技を共有していません。ファイヤー同士が風起こしにらみつけるで共通、サンダーがつつくが共通で電磁波または気合い溜め、フリーザーが風起こしが共通で白い霧またはサイコシフトという風にバラけています。
これはポケモン的な意味での分岐進化型ではありえない事ですね。
シャワーズもエーフィもニンフィアイーブイの基本技である体当たりを思い出す事ができるように進化前ポケモンを共有しているなら三種六匹に共通する技が一つはあっていいはずなのに、無い。
これらのことは三鳥に共通の進化前というものは存在しないという事を示しています。イーブイはいないという事です。


種族的な近さを見分ける方法としてもう一つキャンプ判定法というものを出しておきましょう。
同じ種族のポケモンを三匹以上キャンプに連れて行くと「仲間がいっぱいで嬉しそう」という反応を示すため、
これによって同種を判別する方法です。
ここではニャースを用います。

原種ニャース三匹でキャンプを開きますと、「仲間がいっぱいで嬉しそう!」という反応を示します。かわいいですね。

そしてこのニャースの内二匹をアローラニャースとガラルニャースにしてもやはり「仲間がいっぱいで嬉しそう」!という反応を示します。生まれが違っても私達は仲間。
つまりニャース同士はニャース視点で同種という事ですね。
で、これを進化させてみますと、

原種ペルシアン三匹の場合、当然「仲間がいっぱいで嬉しそう」!

さらにこのうち二匹をアローラペルシアンに変えてもやはり「仲間がいっぱいで嬉しそう」!色が違っても俺達は仲間だ。

ではさらにアローラペルシアンを一匹ニャイキングにするとどうなるか。

反応が無くなります。
お前は仲間ではない。
つまりリージョン以上に距離が離れてしまうと、仲間判定から外れてしまうという事です。

これが伝説の鳥にも適用できます。

ファイヤーは、サンダーやフリーザーと同じキャンプに入れられた場合仲間と見なしませんが、ファイヤーとガラルファイヤーのキャンプの場合、仲間がいっぱいで嬉しそうという反応を示すのです。
ファイヤー視点では、他のリージョンのファイヤーの方がサンダーやフリーザーよりも近い距離にあるという事の裏付けですね。
まとめると、
ファイヤー、サンダー、フリーザーは祖先を共有する同族ではあるが共通の進化前なんてものはいないし、お互いの間にはやはり距離がある。
一方ファイヤー同士、サンダー同士、フリーザー同士の場合は基本技が共通していて、お互いは同種と見なされる。
ということですね。
これらの事は悪タイプと炎タイプのファイヤーはやはりほぼ間違いなくリージョンフォームの関係にあり、そのリージョン分岐は伝説の鳥ポケモンがファイヤー、サンダー、フリーザーに分岐した「後」に起こったという事を示しています。
つまり共通祖先の段階で分岐したわけではない。
ファイヤー、サンダー、フリーザーはそれぞれが一種族でありファイヤーはファイヤーとして、サンダーはサンダーとして、フリーザーはフリーザーとしてリージョンフォームした。
であればこう結ぶことができます。

ファイヤーは既に進化したポケモン種族である。



まあ言ってしまえば三鳥はヤナップバオップヒヤップみたいなものなんでしょうね。
この三系統はお互いに非常に似ていますし種族値は完全に同一、特性もタイプに対応したものであるという点以外同一で技習得のパターンも同じですが、図鑑ではお互いへの言及は無いですし、タマゴグループは同じ陸上であるものの、かけ合わせた時生まれてくるのは常にメス側の子です。
多分この三匹のポケモンも同じ祖先を共有しているのでしょう。
恐らくは草炎水三つのタイプの技を使いこなす猿ポケモンワザップなんかが存在するんじゃないでしょうか。

さて、三鳥の共通祖先からファイヤー種族が生じ、炎タイプのファイヤーと悪タイプのファイヤーがリージョンフォームの関係にある事はわかりましたが、そのどちらが原種なのかは実際の所不明ですから、そこに触れておこうと思います。
これについては、


ファイヤー種族成立後誕生した始祖ファイヤーからさらに分化が起こったという始祖ファイヤー説
ファイヤー種族はポケモン的な意味での進化をする種族でありファイヤーとガラルファイヤーの前に例によって見えないイーブイ、小鳥ファイヤーが存在するという分岐進化説
それから単純に三鳥祖先から分岐した時点で、炎タイプか悪タイプのファイヤーとなっていてその後もう一方にリージョンしたという先天リージョン説の三つが考えられます。


この場合熱風という技から考えると簡単ですね。
ガラルファイヤーは熱風を覚える事ができません。

しかし本来、特に真ん中の奴が有名ですが、熱風は羽ばたく翼のある鳥ポケモンならほとんど誰でも覚える事ができる技です。
ここに示したピジョット、サンダー、アーケオスはそれぞれ特殊な能力を持たない序盤鳥、炎ではなく電気タイプを司る伝説の鳥ポケモン、始祖鳥ですが皆熱風を覚える事ができます。何ならポッポですら覚えられる。
むしろ翼を持ちながら熱風を覚えないポケモン方がレアで、
覚えられないのは大抵の場合相反する属性を持つポケモンになります。

ここに示したフリーザー、エアームド、ルギアは翼を持つ鳥系ポケモンでありながら熱風を覚えませんが、
これは炎と共存できない氷タイプ、鋼タイプ、そして海底で暮らすいわば海属性を持っているためだと考えられます。
翼を持つ鳥なら熱風は普通覚えられ、覚えないのは理由があるから。

この原理は腕があるポケモンは殆どが炎のパンチを覚えられ、原種バリヤードもその例に漏れないものの、氷タイプのガラルバリヤードは炎のパンチを覚えられない、みたいなものですね。


しかし悪タイプは別に炎に対して相反する属性ではありません。ドンカラスバルジーナイベルタルも熱風は覚えます。
またサンダーの存在から三鳥として違う属性を司っている事は鳥ポケモンとして熱風を覚えない理由にならない事もわかるため、つまりガラルファイヤーにだけ熱風を覚えられない固有の事情があるという事になります。
ではそれは何か?

リージョンフォームのポケモンはタイプが変わり、これらはタイプ覚醒型リージョンフォームタイプ喪失型リージョンフォームの二つに分けることが可能です。覚醒型リージョンフォームはガラガラやナッシーのように何らかのタイプの因子が目覚めた事によってそれまでにあったタイプを押しのけて別のタイプになる変化で、例えばアローラガラガラはカラカラ時代の骨ブーメランや地震を扱えますし、アローラナッシーはドラゴンタイプに目覚めつつもサイコキネシストリックルームといったエスパー技をそのまま扱う事ができます。
逆に喪失型リージョンフォームはあるタイプを失ったが故に劣勢、潜性であった別のタイプが優勢、顕性となって目覚めるというパターンで、例えばアローラキュウコンは人間達と一緒にアローラにやって来たロコンがやがて雪山で暮らすようになってロコン自体が変化したものですから、原種が使えた大文字や火炎放射といった技が使えません。

多分ガラルファイヤーもこちらなのでしょう。
原種ファイヤーはガラルファイヤーに対して真に原種であり、その原因はどうあれその炎タイプを失ったからこそ、熱風が使えないのではないかと思います。
つまり、喪失型RFであり、先程の先天リージョンフォーム説ですね。
(これが後天的な変化であるなら、ポッポ段階に当たる進化前の時点では熱風を覚えられたはずでしょうから。)

ちなみに三鳥が喪失型リージョンフォームをしたという事の補強材料としてはフリーザー族の例も挙げられます。
適性の無い寒冷地にガラルフリーザーが自分から飛んでいき霰ダメージで死んでいったという話がよく聞かれますが、

あれも「原種」の方が真に原種なら、元となった原種フリーザーが雪山に棲んでいたため、ガラルフリーザーも冷たい土地に惹かれてしまっているのではないかなと考えられるわけです。
またガラルフリーザーも熱風を覚えませんが、これも氷タイプだった名残ではないかなと考えられます。


さてファイヤーが炎タイプを失ったが故に火炎放射も大文字も扱えないのだとして、
ではファイヤーは本当に熱風すらも覚えられないのでしょうか?
取り戻す事はできないのでしょうか?

これに関してガラルヒヒダルマについて興味深い事例があります。
ダルマッカ族は元々炎タイプであったものの、地殻変動によって生じた寒冷化に対し、炎袋を退化させることで適応したため
炎から氷タイプとなり、激しかった希少も穏やかとなって今のガラルヒヒダルマ
となったわけです。
が、そのガラルヒヒダルマの中には追い詰められた時怒りによって炎袋を復活させ一時的に氷・炎タイプとなるものがいます。

ダルマモードヒヒダルマですね。まあこの変身は無理があるらしく、やりすぎると自分の体をも溶かしてしまうのですが、とにかくヒヒダルマの場合、炎タイプは完全に失われたわけではないという事です。
また一見失われて見える炎タイプが比較的浅い所で眠っている事から、ガラルヒヒダルマは氷タイプながら「教われば」炎技の習得も可能となっています。
ファイヤーの炎タイプも、もしも眠っているものなら、その眠りがガラルヒヒダルマよりも深いものだとしても、何らかの方法で呼び覚ます事ができるのかもしれません。

それがうまくいけば、ファイヤーは熱風を覚える事ができるでしょう。
なんなら鬼火マジカルフレイム羽休めファイヤーの可能性もあるという事ですね。
まあこれは流石に難しいとしても、ファイヤーには進化していく可能性もまた秘められていると言えるでしょう。


という事でまとめです。
伝説の鳥ポケモン」は祖先を共有する自然界出身の伝説のポケモン達で、現在は、個々の独立した種族に進化しているのでお互いに直接的な接点はありません。
また、RFは伝説の鳥が「三鳥」に分岐した後に起こったもので、先に生まれたのは「原種」の方と考えられます。
ガラル三鳥は先天性のタイプ喪失型RFですが、他の例を考えるに原種の性質を取り戻す方法はあるかもしれない。


ファイヤーは既に進化した種族ではありますが、完成されてしまっているわけでもなく、その先にはまだまだ無数の可能性が考えられるのではないか。
これが私の解釈であり、結論になります。
今後のファイヤー族の発展にご期待ください
以上で私の発表は終わりとなります。

ご清聴ありがとうございました。





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